運賃やリスクの所在をアルファベット3文字で表してくれるインコタームズ。
でも似たようなアルファベットが多いからどれがどれだかわかんなくなっちゃう・・・。
せっかくの取引条件を明確にしてくれているルールなのに、使う側が理解していなければ意味がないですよね。
まぎらわしいかもしれませんが、何の略なのかを意識しながらおぼえましょう!
今回はEグループ編です。
Eグループとは
Eグループとは、と言ってもEグループはEXWの1つしかありません。4つあるグループの中で、輸入者側の負担が一番大きいことが特徴です。
EXW条件とは
EXW条件英語 :Ex Works
日本語:工場渡
EXWでは輸出者の工場や施設で輸出者側に引き渡しがされます。これ以降の輸出入業務は輸入者側がすべておこなうことになります。
外国にいる輸入者が直接輸出業務をおこなうことは難しいので、クーリエ業者に委託することになります。
もちろん、運送費用は輸入者負担ですが、輸出業務も輸入者側がおこなうことになりますので、輸出における通関料も輸入者が支払うことになります。
基本的に輸出者(輸出すらしないので輸出者ですらありませんが)は何もしなくてもいいという条件です。
しかし、インコタームズ2010のEWXでは、輸入者が必要とする場合は助けることを義務付けています。
本当に最低限のサポートですむのなら良いかもしれませんが、なんだかんだ輸出手配が必要になるようでしたら、いっそのことFCRやFOBにして費用を商品価格に上乗せしたほうが割がいいかもしれません。
どういった取引に向いているの?
輸入者側の手間が非常に多いので、採用されることは少ないかと思います。このEXW条件が一番利用される可能性が高いのはクーリエで着払いにするパターンです。
クーリエの着払いにすれば運賃や輸出時の手数料も輸入者負担にできますね。
ただし、クーリエ業者によって輸入者が手配するのか、輸出者が手配するのかは変わってきます。
たとえばOCSは輸入者側主導で集荷手配をする必要がありますが、DHLは輸出者が集荷手配をすることになります。これについてはクーリエ業者さんのサービスをよく確認してみてください。
とはいえ、いつもは船やAIRで発送しているけど今回は少量だからクーリエでいいや!と言って発送する場合はEXWではなく、普段使っているFCAで発送することになると思います。
なかなか使いどころの少ない条件ですね。
まとめ
条件的には輸出者にとって一番楽なEXW条件。裏を返してみれば、輸入者にとって手間がかかる条件です。
「商品本来の価格でしか支払いたくない!」「手数料とかいいながらぼったくり価格にされたら嫌だ!」というきっちり&かっちり方にはおすすめします。
しかし、それでもFグループを使った方が楽かと思います。
しっかりと検討してみてくださいね。