運賃やリスクの所在をアルファベット3文字で表してくれるインコタームズ。でも似たようなアルファベットが多いからどれがどれだかわかんなくなっちゃう・・・。
せっかくの取引条件を明確にしてくれているルールなのに、使う側が理解していなければ意味がないですよね。まぎらわしいかもしれませんが、何の略なのかを意識しながらおぼえましょう!
今回はCグループ編です。
Cグループとは
CグループにはCPT・CIP・CFR・CIFの4種類の条件が含まれます。これらの条件は基本的に輸出者が輸入者の指定した運送人に貨物を引き渡した時点でリスクの責任が輸入者側に移るというものです。しかし、運賃は輸出者が負担します。
CグループとFグループとの違いは、どちらが運賃を負担するかという点です。
Fグループのときと同様にこの4つの条件をさらに2つにわけておきます。
コンテナ船で輸送:CPT、CIP
在来船で輸送:CFR、CIF
輸送費等の費用条件としてはCPT=CFR、CIP=CIFですが、リスク移転される場所が異なります。
それではそれぞれの条件について細かく見ていきましょう。
CPT条件とは
CPT条件英語 :Carriage Paid To
日本語:輸送費込条件
輸出者が指定の仕向地までの運賃を負担します。一方、リスクは貨物を運送人に引き渡した時点で輸入者へ転移します。
運送人に引き渡した時点、ということなので、具体的にはコンテナヤード(CY)やコンテナフレートステーション(CFS)を指します。つまり、これはコンテナ船を対象にした条件になりますね。
CIP条件とは
CIP条件英語 :Carriage and Insurance Paid To
日本語:輸送費保険料込条件
Carriage and Insurance ということで、輸出者が運賃と保険を負担します。リスク移転のタイミングはCPT条件と同じで、運送人に引き渡した時点で転移します。ということで、これもコンテナ船が対象の取引条件ですね。
運送人に引き渡した時点でリスクは移転されますが、仕向港までの海上保険料は輸出者が負担するという、ちょっぴり違和感のある条件です。運賃を払うなら保険料も一緒に払ってしまえ!という考えなのでしょうか。
CFR条件とは
CFR条件英語 :Cost and Freight
日本語:運賃込
直訳すると「費用と運賃」。なんとも直球的な表現ですね。運賃等の費用は輸出者が払う条件です。これはCPT条件と同じです。
違うのはリスク移転のタイミングです。移転のタイミングはFOB同様に本船に置かれたときです。つまり、これは在来船取引向けの条件ということになります。
ちなみに、CFR条件はC&F条件と呼ぶこともあります。
CIF条件とは
CIF条件英語 :Cost, Insurance and Freight
日本語:運賃保険料込
これも直訳してみると「費用と保険と費用」。CFR条件に保険が追加されました。リスク移転のタイミングはCIPと同じで本船に置かれたときです。よって、在来船取引に適した条件になります。
C条件はどのような取引に向いているの?
Cグループでは、運賃が輸出者持ちになります。手頃な費用で輸出してくれるフォワーダーさんを知っていて、運賃を加味しても手頃な商品価格を提示ができるというのであればCグループがいいかもしれません。
また、たまにですが、先方の指定する業者が使いづらいこともあります。
こちら側が運送人を指定できるCグループのほうが船積手配上は優位に立つことができるというのもメリットの1つです。
まとめ
コンテナ船で輸送:CPT、CIP在来船で輸送:CFR、CIF
基本的に、C条件はF条件+運賃。もし、Iが入っていたら保険料も追加で!
というイメージを持っていただければ大丈夫かと思います。
また、F条件の時にも書きましたが、商習慣上で気を付けてほしいことがあります。
それは、習慣上CFRとCIFはよく使うが、CPTとCIPはあまり使わないということです。
普段は
CFR≒CPT
CIP≒CIF
と考えていても大丈夫です。
しかし、トラブルを防ぐためにも、契約書に記載する条件はどちらがより適切かを気にするようにしてくださいね。