海上輸送で物量が多い場合はコンテナをチャーターして出荷します。
せっかくコンテナを手配したのだから、「積み込めるだけ積み込みたい!」と思われることでしょう。
では、40Fと20Fコンテナの積み込める容量の目安はご存知ですか?
今回はコンテナのサイズと特殊なコンテナについてご紹介します。
コンテナのサイズ
国際標準化機構(ISO = the International Organization for Standardization)によって、コンテナの規格が統一されました。現在、主に使われているコンテナサイズは下記の3種類です。
20Fコンテナ(20F)
サイズ:幅8F(約2.4m)x 奥行20F(約6m)×高さ8.6F(約2.6m)容積:約31~34M3
40Fコンテナ(40F)
サイズ:幅8F(約2.4m)x 奥行40F(約12m)×高さ8.6F(約2.6m)容積:約64~68M3
ハイキューブコンテナ(40HQ)
サイズ:幅8F(約2.4m)x 奥行40F(約12m)×高さ9.6F(約2.9m)容積:約75~76M3
Fは単位のフィートのことです。
3種類とも幅は共通です。20Fコンテナより長さがあるのが40Fコンテナで、40Fコンテナより高さがあるのがハイキューブコンテナです。
ハイキューブは通常の40Fと比べて、30cmしか差がないんですね。
実際の積載可能量
上で容積をご紹介しましたが、実際はこんなに積むことはできません。カートンや梱包ごとに形が異なりますので、コンテナ容積ちょうどに積み込むことは不可能です。
無理やりぎゅうぎゅうに積み込んでも取り出せませんしね。
ということで、必ず貨物とコンテナの間には隙間が生まれます。
カートン梱包で段済みが可能な貨物で、配置を計算してできるだけきれいに積んだ場合の、容積の目安はこれくらいです。
20F: ~26M3
40F: ~58M3
(※ドライコンテナの場合)
あくまでも目安ですが、これを超えそうな場合は、もう1つ大きいサイズのコンテナにすることを乙仲から勧められると思います。
ただ、実際こんなにギリギリ載せることは少ないでしょう。
貨物によっては、その貨物の上に積んではマズいものもあります。
高さは30cmぐらいしかないものの、上に載せることができないために、一見ガラガラの状態で送ることになる場合もあります。これはこれで仕方がないことです。
このような貨物は仮に混載で頼んだとしても、コンテナギリギリの高さがある場合の貨物と同額の料金がかかります。
貨物の実体積だけで「小さいから混載だ!」と決め付けることはしないようにしてください。
コンテナの種類
ドライコンテナ(Dry Container)
一般的なコンテナと言えば、このドライコンテナです。温度変化の影響を受けても大丈夫な一般貨物の輸送に用いられます。
リーファーコンテナ(Reefer Container/Refrigerated Container)
冷蔵・冷凍貨物の輸送に用いられます。コンテナ内に冷凍装置があり、壁には断熱材が仕込まれているため、一定の温度を保つことができます。
温度の指定は-20℃~20℃まで可能です。
一般的に食品の輸送をイメージされると思いますが、それだけでなく、温度変化にさらしたくないもの(薬品や電子部品)などもこのコンテナでの輸送されることになります。
冷凍装置があるため、ドライコンテナより積載可能量が小さくなります。
オープントップコンテナ(Open Top Container)
ドライコンテナの屋根部分を取り除くことができるものです。コンテナのドアからでは積むことができない大型機械などの輸送に用いられます。
積載したあとは、防水性の布で上部をカバーすることになりますので、水濡れに弱い貨物には使用することができないようです。
このコンテナで象などの動物も運ぶこともできます。
サイドオープンコンテナ(Side Open Container)
オープントップは屋根部分が開くのに対して、こちらは側壁が開閉できます。フラットラックコンテナ (Flat Rack Container)
天井も側壁もないコンテナです。前後の壁があるパターンと、4隅の柱しかないパターンがあります。高さも幅もコンテナからはみ出す場合に用いられます。
本船での積みつけ位置が限られ、このコンテナの両サイドに他のコンテナを配置することもできないため、割り増し料金を取られることになります。
フラットベッドコンテナ(Flat Bed Container)
床面のみ!のコンテナです。使い方はフラットラックコンテナと同じですが、いったい何を輸送するでしょうか・・・。
柱すらないので、コンテナの段積みも不可で、かなりの船の中でデッドスペースとなってしまうため、割り増し料金も相当なものでしょう。
タンクコンテナ(Tank Container)
タンクが転がらないように、フレームで囲ったコンテナです。果汁や油などの液体や気体にもちいられます。まとめ
今回はコンテナの実積載可能容量と、コンテナの種類についてご紹介しました。貨物の容量と特性に合わせてコンテナを選ぶことになりますが、輸出者都合だけでなく、輸入者の都合にも配慮しなければいけません。
例えば、いつも40Fコンテナを手配しているものの、今回は貨物の量が多くハイキューブコンテナじゃないと、一度に積載しきることができないとします。
このとき、輸入者に事前に連絡せず、ハイキューブを手配してしまっても良いのでしょうか?
答えはNOです。
絶対に輸入者側に事前確認をとるようにしてください。
もし、輸入者が普段デバン作業をしている倉庫の屋根がハイキューブコンテナよりも低かったらどうなりますか?
輸入者は急きょ別の作業場所を確保しなくてはいけなくなってしまいます。
このように、輸入者にとっては「ハイキューブ1本」よりも「40F1本+20F1本」のほうが都合のいいことがあるかもしれません。
いつもと違うコンテナを予約してしまう前に、必ず輸出者に確認をとるようにしましょう。