
海外の仕入先から商品を輸入する際、価格に応じた関税・消費税を支払わなければいけません。
この際に税金の計算根拠となる価格はインボイスにかかれている金額ではありません。
今回は税関申告額についてのお話です。
税関に申告するのはCIF価格
税関に申告するのはCIF価格です。そして、このCIF価格を元に関税・消費税が算出されます。「え?うちはFOBでメーカーから仕入れているよ?」
という方も多いと思います。
インボイスがFOB価格でも大丈夫です。
通関業者さんがこのFOB価格に送料や保険料を加算して申告してくれているのです。
しかし、税関申告額を算出するには3種類の資料が必要です。
インボイス
CIFの"C"の部分です。申告額のベースとなる商品価格が記載されているインボイスが必要です。
インボイス記載の建値がFOBでもC&Fでも大丈夫です。
何かしらの建値がインボイスに記載されていることが必要です。
もし建値が記載されていないインボイスであれば、通関業者から問い合わせがあると思います。
評価加算に関する書類
CIFの"C"の補完的な金額です。商品を生産・輸入するまでにかかった必要で、売り手が負担していない金額を加算します。
これを評価加算申告といいます。
輸入者側が無償で支給した資材や金型等があれば、購入時の請求書や生産者へ輸出した際のインボイスを基に加算します。
主に委託加工貿易で発生する要素です。
単に購入した場合は加算する金額はありませんので、ゼロで申告します。
保険料
CIFの"I"の部分です。商取引条件がFOBであれば、保険をかけるのは輸入者側です。
保険に関しては3パターンあります。
・無保険
・個別保険
・包括保険
無保険はその名の通り、保険をかけずに輸入するパターンです。小額の貨物など、保険をかけないことも可能です。
この場合は、無保険貨物として申告します。
個別保険とは、輸入する貨物ごとに保険をかけるパターンです。
個別保険の請求書に記載されている金額で申告します。
包括保険とは、保険会社と年契約を結んでいるものです。契約した年率をもとに申告をおこないます。
輸入頻度の多い輸入者は包括保険を結んでいることが多いことでしょう。
あらかじめ、通関業者に保険証券のコピーと証券番号を伝えておけば、税関システムに登録しておいてもらえますので、輸入ごとに金額を連絡する必要はありません。
ただし、1年ごとの契約更新のタイミングで再度連絡する必要があります。
送料等の加算項目
CIF価格の”F”に当たる部分を加算します。根拠になるのはArrival Noticeに記載されている金額です。
ただし、Arrival Noticeに記載されている請求額すべてが加算されるわけではありません。
Arrival Noticeに記載されている項目の中で、日本の港に到着するまでにかかった費用を加算します。
加算されるのは
・Ocean Freight
・BAF、EBSなどの追加燃油料
・CAF、YASなどの通貨調整費
などです。
船社によって項目の呼び方が微妙に違います
Arrival Noteの項目についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
まとめ
輸入申告額の算出にはCIF価格が必要です。C=インボイス額、(あれば)評価加算額
I=保険料
F=Arrival Noticeに記載されている金額のうち、日本の港に到着するまでにかかった費用
これらがわかる書類を通関業者に提出して、適切に申告してもらいましょう!