低い関税が適用されるとどうなるかはこちらの記事にも書かせていただきましたので、こちらをごらんください
⇒特恵関税適用国から中国除外の流れ!? 今後の卒業予定国は!?
今回は、そもそも関税とは何なのか、その納付方法について書いていきたいと思います。
関税とは
輸入貨物に課せられる税で、貨物の輸入者から徴収されます。輸入者が関税や消費税を払わなければ、いつになっても輸入許可は下りません。納付額がわかったらすぐに支払いましょう。
クーリエの荷物が関税を払う前に届いたよ?ということはあります。その場合は、業者が輸入者(受取人)に代わって、立替をしているからです。業者が立て替えたことで、輸入許可が下りたのです。誰も払わなければ、輸入許可は下りません。業者が立て替えた場合は、追って、業者から請求書が届くはずです。
関税額の決まり方
課税価格にHSコードごとに決められた税率を掛けて算出されます。HSコードによってはもともと関税フリー(無税)であるものもあります。一方、多国間協定や特恵関税の制度を利用することで関税フリーにしたりすることも可能です。
参考: HSコードとは
特恵関税とは
TPP協定が発行されれば、参加国からの輸入貨物の多くが関税フリーで輸入できることが見込まれていました。単に関税のことだけを考えれば、TPP協定が発効できなくなったのは残念なことです。
※もちろん、その他の点ではデメリットもありました
関税の支払い方法
電子決済で行うのが一般的です。決済方法としては、基本的な電子納付方式と事前手続きが必要なリアルタイム口座方式があります。
電子納付方式
申告の都度、電子納付手続きを行う方式です。通関業者に関税・消費税額を確認し、その金額を振り込む手続きを行います。輸入の頻度が少ないのであれば、この方法で問題ないかと思います。
リアルタイム口座振替方式
輸入申告と同時に納税者の預金口座から引き落とされる方式です。
電子納付は申告のたびに手続きが必要でしたが、リアルタイム口座では申告と同時に自動で税金が指定口座から引き落とされるというところがポイントです。
とはいえ、口座残額が足りなければ、納付できません。乙仲さんから「残額不足で、許可おりませーん」と連絡がきたら、すぐ口座にお金を積み増しましょう。
リアルタイム口座振替方式を利用するには申込手続が必要です。手続きの詳細はNACCSセンターホームページをご確認ください。
流れとしては「利用者(輸入者)」「NACCS」「金融機関」の3者間において、口座振替契約を結びます。すると、輸入申告がされた際、NACCSから金融機関へ納税額が送信されます。この情報をもとに金融機関は利用者の口座から振替処理を行います。振替処理(=関税などの納付)が終わると、その情報が金融機関からNACCSに送信され、輸入許可書が出力できるようになるのです。
この方式は平成20年から導入されたそうです。
頻繁に輸入を行っている会社にとっては、毎回毎回、関税額を聞いてから納付手続きをするというのはとても面倒なことです。自動で納付できるようになったというのは、とても助かりますね。
まとめ
ざっくりと関税についてまとめてみました。
今回、軽めに流した関税額の決まり方については、とっても小難しくて面倒な話になります。通関士試験に出てくる分野の中でも一番つらいところです。これについては、できるだけわかりやすくに(でも詳しく!)説明していければと思っています。
頑張ってかみ砕きますので、少々お時間をください。
迅速な貨物の輸入には、迅速な関税の納付が必要です!