年末の船便をブッキングするために乙仲さんに連絡すると
「その船はもういっぱいで・・・」「キャンセル待ちの状態です」
なんて言われてしまうことがあります。
実は、1年のうちで、船のブッキングがしづらい時期が何回かあるのです。今回はブッキングに注意したい時期についてのお話です。
注意すべき時期
・日本や中国の長期休暇の直前
休みまでに貨物を輸入したい・輸出したいという需要があります。観光業に関連する製品であれば、長期休暇中に販売する商品を仕入れておかなければいけないので、輸入の需要が高まります。一方で、連休のうちに航海させて、ちょうど休みが明けるころに荷物を引き取れるようにしておきたいという需要もあります。
・クリスマス商戦
クリスマス商戦前にあたる11月も要注意の時期です。年間スケジュール
4月中旬~下旬
日本のゴールデンウィーク(4月末~5月初旬)と中国の労働節(5月1日前後の3日間)が重なります。このように日本・中国の連休が重なる時期は要注意です。
観光業に関連する製品であれば、休みに入る前に長期休暇中に販売する商品を仕入れておかなければいけません。反対に、休み直前に船積みをさせておいて、連休明けに仕向け地に到着させたいという製造業の需要もあります。そのため、ブッキングが取りづらい時期になります。
9月中~下旬
日本のシルバーウィーク(9月中・下旬)と中国の中秋節(9月中・下旬)・中国の国慶節(10月1日~7日)と、日本と中国の連休が立て続けに発生します。シルバーウィークと中秋節はその年のカレンダー次第のところがありますが、国慶節前の船のブッキングは特に注意が必要です。早めに予約を取らないと、スペース確保できない可能性が高いです。また、日本と中国が交互の連休になってしまい、中国現地と連絡が取りづらくなることもあります。とてもやっかいな時期ですね。
10月下旬
アメリカ向けのブッキングで気をつけたいのが、日本を10月下旬に出港する船です。アメリカへの輸出は航海に1か月近くかかります。ブラックフライデー(11月第4週の金曜日)までに着荷させようとすると10月下旬までに出港させなければいけません。近年、日本でもブラックフライデーという言葉が広まってきました。ブラックフライデーは感謝祭(11月第4週の木曜日)の翌金曜日のことです。この日からアメリカはクリスマス商戦がスタートします。つまり、この日までに店頭に商品を並べなければいけません。そのため、10月下旬に駆け込み輸出の需要が高まるのです。
今はアメリカ向けだけを心配していますが、今後日本でもブラックフライデーが浸透すると11月中旬の輸入を心配する必要が出てくるかもしれません。
12月下旬
日本の正月休暇前です。中国の会社は12月31日と1月1日を除いて、通常営業していることが多いので、日本の休み前に中国に荷物を送り切って、日本の休みのうちに生産をしておいてほしいという機運が高まります。また、ゴールデンウィーク前同様に、観光業向けの輸入需要も高まる時期です。この時期はお歳暮の季節ということもあり、国内運送業者さんの繁忙期です。船だけでなく、トラックやドレーが確保しづらいのにも注意が必要です。
正月休み明けもドレーの取り合いになるので、早め早めの予約が必要です。
1月下旬
旧正月前の時期です。中国やベトナムでは1月下旬~2月中旬のどこかで1週間ぐらいの連休になります。日本からの出港船のブッキングは特に問題ありませんが、輸入船が混雑する時期です。ドレーの手配に気をつけたい時期です。中国では10月頃に翌年の祝日が発表されるので、そのカレンダーをみて船積み計画を立てましょう。
まとめ
船積手配は船の手配はもちろんですが、トラックやドレーの確保のことも頭においておかなければいけません。日本のお盆休み前は船のブッキングに困ることは少ないですが、トラックの手配が難しくなるという印象があります。
海運業・配送業の繁忙期に出荷が必要な場合は、確定でなくてもいいので、わかった時点ですぐに乙仲さんに連絡をするようにしておきましょう。