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2018年7月、日本とEUは日本とEU間の経済連携協定に署名しました。
2013年からはじまった交渉がようやく実を結びそうというところです。
今回は、日EU経済連携協定とはなにか、発効されるとどのような変化が起きてくるのかをまとめてみました。
日EU経済連携協定とは
日本とEUの間で結ぼうとしている経済連携協定(EPA)です。2018年9月現在、まだ発効には至っていません。
※2019年2月1日輸入分から適用開始になります!(2018/12/18更新)
参加国は日本と28か国のEU加盟国です。
合計29か国もの国が参加する協定ですが、これはどれくらいの規模の協定なのでしょうか?
まずは、人口でみてみましょう。
日本の人口は約127百万人で、世界での割合からすると1.7%です。
一方、EU加盟国の人口合計は約512百万人で、世界の割合からすると6.8%です。
つまり、この協定の規模は約639百万人!
・・・あれ?結構少ないかも?
人口1300百万人の中国の半分にもおよびませんでした。
中国、インド、その他の発展途上国の人口上昇率がすさまじいので、人口からみるとあまり大きくないようにみえます。
では、次にGDPでみてみます。
日本のGDPは4,872Bドルで、世界の割合からすると6.1%です。
一方のEUのGDPは17,309Bドルで、世界の割合からすると21.7%です。
合計してみると、27.8%!世界GDPの4分の1以上を占めることになります。
この数字はアメリカ単体のGDP(24.3%)を超えることを意味しており、大規模な協定になっているということがわかります。
とはいえ、この数字はイギリスが含まれています。2019年3月までにイギリスはEUを離脱する予定です。そのため、実際の規模としてはもう少し小さくなります。
交渉の経緯
2013年4月に交渉が開始となりました。しかし、その後EU側が乳製品において大幅な市場開放を求め、難航しました。日本はチーズに関して基本関税で35~40%のレートを定めています。WTO協定のレートでも20%を超えます。それほど、チーズの輸入に関してはバリアを張っているという状況です。
一方のEU地域はチーズ大国が多くあります。チーズをはじめとする乳製品を日本にもっと売りたいというのが本音です。
自国の酪農産業を守りたいという日本と、攻め込みたいEUで交渉がなかなか進みませんでした。
しかし、2017年に状況が変わりました。トランプ氏のアメリカ大統領就任です。
2017年1月にトランプ氏はアメリカ大統領に就任するとすぐに、保守的な通商政策を実行し始めました。それに対し、日本とEUが協力して対応していくという方針で利害が一致し、2017年7月に大幅合意までたどり着きました。そして、2018年7月協定に署名しました。年内の発行を目指して調整をしている最中です。
関税交渉の結果と今後
日本側の撤廃率は約94%、EU側の撤廃率は約99%になりました。これは品目ベースでの割合です。日本原産品のほとんどがEU諸国では無税で輸入できることになります。大きな議論点であった日本側のチーズの輸入は16年かけて段階的に関税を撤廃、枠数量を徐々に拡大していくとのことで、決着したようです。
そのほかにも、パスタやチョコレート菓子は 11 年、ビスケットは 6~11 年かけて、段階的に関税が撤廃となります。
ヨーロッパのスイーツが今までよりも安価で手に入ることになることでしょう。
日本企業にとってはEUビジネスの追い風となります。消費者にとってもEU圏の商品が手に入りやすくなることでしょう。
一方で、農家・酪農家にとっては、輸入商品との価格競争に立ち向かわなければいけない状況になることもが想定されます。しかし、日本国産という強みを生かして、むしろビジネスチャンスに変えてくれることを期待します。
このEPAはイギリスありきで交渉されていたものです。そのため、イギリスがEUから離脱する前に発効させることが重要です。年内に発効させてほしいものですね。