経済制裁とは?



トランプ大統領がイランへの経済制裁を強めると発言して以降、イラン向けの輸出に影響が出ています。
今日現在、イラン向けの輸出を取り扱っているフォワーダーにも、2か月後には取り扱いがあるかどうかわからないと言われる始末です。

このように貿易に大きく影響が出てしまう経済制裁ですが、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか?イラン以外に制裁を受けている国はあるのでしょうか?

今回はそんな経済制裁に関するお話です。

経済制裁とは?

経済制裁とは1つの国もしくは複数の国々がターゲットとなる国や集団に対し、商業的・経済的にペナルティーを与える行為を指します。

たとえば、貿易障壁高関税送金制限などがこれに当たります。
ターゲット向けの輸出を禁止することも近い意味を持ちますが、単なる輸出禁止だけでなく、もっと厳しい制裁を与えることを意味します。

経済制裁を受けた国は一般的に国内の物資が欠乏するため、国内情勢や経済が悪化します。
その結果、国力が低下してしまい、ターゲット国は強気な行動を取ることができなくなります。

いわゆる兵糧攻めですが、この制裁には欠点があります。


  • 中立国や他の国が制裁に協力せず、ターゲット国と貿易を続ける可能性がある
  • 制裁を与える国々がターゲット国と貿易できなくなることで不便を被ることがある
  • ターゲット国の国民が困窮し、その怒りが制裁を与える国々に向いてしまうことで、さらに敵対的になる可能性がある
  • もともと国内で物資を調達できる国であれば、長期化する

経済制裁をするためには、他の国々からの協力を得ること、ターゲット国に援助をする国を出さないようにすることが要となります。

経済制裁を受けている国

現在、経済制裁を受けている国の一部をご紹介します。

■ガザ地区
制裁側:イスラエル
理由:戦争のための武器の不正取引のため
期間:2001年~

■イラン
制裁側:アメリカと同盟国
理由:濃縮ウランの開発および核開発疑惑
期間:2006年~
内容:石油、ガス、石油化学製品、精製石油製品の輸出禁止、銀行、保険、金融機関、および船舶への投資禁止

■北朝鮮
制裁側:国連
期間:2006年~
内容:高級品および武器の輸出禁止

日本に対する経済制裁!?

実は日本も他国から経済制裁を受けたことがあります。
日本史の授業で習ったABCD包囲網です。

1930年代からアメリカ(America)、イギリス(Britain)、中華民国(China)、オランダ(Dutch)から貿易制限を受け、1941年には石油の対日全面禁輸となりました。

この後、第2次世界大戦へと発展し、終戦とともに日本への制裁も終わりました。

まとめ

日本は関係ないと思われがちな経済制裁ですが、過去には日本も受けていたんですね。

戦争をする国、人道的に問題のある国、核兵器を開発する国に対して、発動されることが多いです。

一方で日本のように、経済制裁を受けてから戦争に発展してしまう場合もあります。
武力的な制裁ではないとはいえ、結果として武力衝突となってしまう可能性を秘めています。

1日も早く、制裁なんて必要のない平和な世界になってほしいですね。