Slotting feeって何?



Slotting feeとは、アメリカをはじめとする国々で採用されている、製造業者や商社がスーパーマーケットなどの小売店に支払う費用の1つです。このSlotting feeを払うことで、お店の棚に置いてもらうことができるのです。

Slotting fee は”Slotting Allowance”と呼ぶこともあります。


Slotting feeはいくら?


このSlotting feeですが、具体的にいくらかかるかという数字的データはほとんど存在しないそうです。

というのも、小売店側は仕入れ先に他の仕入れ先にいくら請求しているかを知られたくないため、金額を公表することはしませんし、製造者側にとっても小売店の機嫌を損ねて商品を取り扱ってもらえなくなる危険性をおかしてまで、金額を暴露するメリットはありません。どちら側も公表しないので、当事者しかわからないようです。

ということで、Slotting feeの金額は、商品や製造業者、小売店の状況によってさまざまですが、商品1つあたり、地方の小売店で10,000ドル、大きいところでは1,000,000ドル要求されることもあるようです。

しかし、小売店が要求してくるのはSlotting feeだけではありません。広告費や在庫保管料も別途請求されるのです。FTC(Federal Trade Comission)の調査によると、この慣習はアメリカのスーパーマーケット業界で広まっており、多くのお店で商品を売ることで儲けた利益よりも、Slotting feeの利益の方が大きいということもあるそうです。

Slotting feeはお金をもっている会社しか払うことができないため、小さい製造業者は商品をお店に入れてもらえるチャンスがなくなってしまい、倫理的に問題があるのではないかという議論はあるようです。

とはいえ、実際の店舗では物理的に陳列できる商品の数には限りがあります。似たような商品を2社から提示された場合、Slotting feeで収益を得られる方を選ぶのは小売店として当然のことなのかもしれません。


Slotting feeの今後は?


現在、すでにSlotting feeを撤廃している小売店もあるようです。アメリカのマーケティング担当者に聞いてみたところ、Wal-Martでは撤廃されているようです。Wal-Martのような巨大企業であれば、Slotting feeの利益に頼らなくてすむため、必要がないのかもしれませんね。

一方で、まだまだ多くの小売店がSlotting feeを要求しています。

しかし、近年アメリカの市場はオンラインショップへと移行しつつあります。Slotting feeを払えない企業やSlotting feeを払うほどではないが販売したい新商品はネットショップを活用するなど、製造業者も販売経路を工夫しています。
もしかしたら、Slotting feeを避けるためにネットでしか売らない製造業者が増え、実店舗で陳列する商品が減ると、Slotting feeという習慣もなくなるかもしれません。

市場の変化と合わせて、注目していく必要がありそうです。