船便で貨物を輸出すると発行されるB/L。
その役割をちゃんと理解していますか?
役割を知らずに、取り扱いを間違えてしまうと財産を失う!?なんてことになりかねません。
そんなことにならないように、B/Lの価値を正しく理解しておきましょう。
B/Lとは?
B/L(Bill of Lading)は船積み書類の1つで、日本語では「船荷証券」と呼びます。
読み方は「ふなに」証券です。「せんか」証券と言っても通じませんのでご注意ください(経験談)。
「証券」とは財産法上の権利や義務に関して記載がされた書類です。
よって、B/Lは「船で出荷された荷物に関する権利や義務に関した記載のある書類」ということになります。
よって、B/Lは「船で出荷された荷物に関する権利や義務に関した記載のある書類」ということになります。
Master B/L と House B/L とは?
船会社が貨物を受け取った際にB/Lが発行されます。
この時に発行された船会社からフォワーダーに対して発行されたB/LをMaster B/Lと呼びます。
一方で House B/Lとは、フォワーダーから荷主に対して発行されるB/Lです。
House B/Lはあくまでもフォワーダーと荷主間での契約に基づいて発行されるものなので、船会社にはまったく関係がありません。
荷主がHouse B/Lを持って船会社に引き取りに行ったとしても、引き取ることができませんのでご注意ください。
B/Lの役割
B/Lはタイミングや立場によって役割が変わってきます。役割によるB/Lの意味を確認していきましょう。
1.有価証券
よく誤解されやすいのですが、B/Lを持っている人が貨物の所有者だというわけではありません。
輸送人に対する貨物引渡請求権という債権を有価証券化したものです。
難しいので簡単に言い換えると、B/Lを持っている人は、「貨物を自分に引き渡してください!」と言うことができる書類ということです。
所有権の問題と間違えてしまう理由は、裏書して譲渡ができるためだと思います。
ここでも、あくまで貨物引き渡しの権利を譲渡するということです。
所有に関する権利に直接は触れられていないんですよね。
ちなみに「裏書」って初めに聞いたときに、どーゆー意味だろう?と悩んだのは私だけでしょうか??
まさか、文字通りに書類の「裏」にサインをする(=「書」く)ものだとは思いませんでした。。てっきり、なにか他に深い意味があるのだと思っていましたので、「書類の裏側にサインしてください」って言われたときは「え?直接書いちゃっていいんですか??ホントに!?」って何度も確認したのを覚えています。
必要なときは思い切ってサインしちゃってくださいね。
所有権については関係のない証券なんですが、この書類を失くしてしまうと、「貨物を引き渡して!」と請求することができなくなってしまいます。
つまり、貨物を引き取ることができなくなってしまうのです。
これが冒頭でお話しした財産を失いかけない事態です。
これが冒頭でお話しした財産を失いかけない事態です。
絶対になくさないようにしてくださいね。
2.貨物の受取証
船会社から見た書類の役割です。
船会社が貨物を受け取った際にB/Lが発行されるということを最初の方で説明しましたが、この時の役割のことを指します。
船会社が貨物を受け取ったことを示す受取証の役割があります。
3.運送契約書
船会社と荷主やフォワーダーから見た役割です。
船会社と荷主(フォワーダー)との間で運送契約が交わされていることを示す、運送契約書の役割があります。
4.貨物引取証
貨物の受取人から見た役割です。
貨物の輸入港で貨物を引き取るときに必要な貨物引取証にあたります。
まとめ
B/Lには以上の役割があります。
有価証券であり、契約書であり、貿易においてとても重要な書類であることは間違いありません。
そのため、誤字・脱字は厳禁です。
ひどい場合は貨物の受け取りができなくなってしまいます。
フォワーダーからドラフトB/Lを入手した時点で1字1字を慎重に確認するようにしてください。流し読みはダメです。
B/Lの修正・再発行は発行した輸出港側の船会社でしかできません。
オリジナルB/Lを受取人へ送付した後になってから誤字が判明した場合、送付したB/Lをすべて回収してからしか再発行してもらえません。
ドラフトの時点で間違いに気づき、修正してもらってください。
B/Lの価値を正しく理解して、適切に流通させましょう。
ドラフトの時点で間違いに気づき、修正してもらってください。
B/Lの価値を正しく理解して、適切に流通させましょう。