6月にイランの顧客向けにシンガポール経由イランの港向けで混載貨物を出荷する予定がありました。
GW前に見積もりを取り、ブッキングまで終わっていました。
しかし!今日、乙仲から
「イラン向けに貨物を出せなくなってしまいました・・・。
6月のブッキングはキャンセルさせていただきます。」
との連絡が・・・。
いや、先週予約取れてたじゃん!?
3日前のトランプ発言の影響にしては早すぎない!?(゜Д゜≡゜Д゜)
この予約をしていた会社以外の乙仲にもセカンドオピニオンを求め、イラン向けの輸出状況について確認しました。
2018年5月8日 トランプ発言
トランプ大統領は5月8日、ホワイトハウスにてイラン核合意からの離脱を表明しました。
そして、「アメリカはイランに対して最高レベルの経済制裁を科す」とも発言しました。
これに対し、フランスのマクロン大統領をはじめ、同盟各国は失望感をあらわにしています。
また、EUのモゲリーニ外交安全保障上級代表は
「イラン核合意は地域や欧州そして世界全体の安全保障にとって重要だ」
と述べ、各国に対し合意にとどまるよう求めました。
イランもこのトランプ大統領の発表に対して、国営テレビを通じて非難しました。
イラン向け輸出の現状
イラン向け輸出ができなくなった乙仲A社の担当者によるキャンセル理由はこのトランプ発言にあるとのことでした。
しかし、日本はこのアメリカの経済制裁に賛成するとは現時点では表明していません。
ただ、A社が今日からイラン向け貨物を取り扱えなくなったのは間違いないようです。
そこで別の乙仲のB社に、イラン向け輸出について問い合わせをしてみました。
B社の担当者によると、今回の発表をを受けて日本政府が指示したということはなく、輸出不可になったわけではないそうです。
では、なぜキャンセルになったのか?
実はイラン向け輸出は半年前ほど前から徐々に難しくなってきていたというのです。
ここ数か月、イランにあるヨーロッパ系や日本系のフォーワーダーが相次いで撤退を始めているというのです。それはイラン国内の経済状態を見ての判断だということです。
それに加えて、今回の発表です。
日本が輸出できなくなったわけではなく、今まで輸入業務を受け付けていたイラン側のフォワーダーが取り扱いを停止・撤退を検討したために起きたキャンセルではないかと考えられます(推測です)。
B社でも1か月ほど前に、イラン向けの船を手配しようとしたものの、貿易条件にあう輸送を取扱っている業者を見つけることができず、大変な目にあったとのこと。
今後のイラン向け出荷
今まで私がメインでやり取りをしていた乙仲A社とB社がイラン向け出荷ができないとのことだったので、別の乙仲数社に取り扱いがあるか、見積もり依頼をかけています。
週明けにどのような返事があるかわかりませんが、イラン顧客が商品を買ってくれるという以上、なんとかして出荷方法を探していきます。
この後、日本やEUがアメリカの経済制裁に追従していくかどうかが気になるところです。
トランプ大統領の発言にも、引き続き注意が必要ですね。