FCLとLCLの流れの違いは?~輸出編~

SEAで送る場合はFCL(Full Container Load)で送る場合と、LCL(Less than Container Load)で送る場合があります。貨物の量次第でどちらかお得なほうを選ぶことになります。

今回はFCLとLCLとはなにか、それぞれの船積みまでの流れをご紹介します。

■目次

 ▶FCLとLCLとは
 ▶FCLの流れ
 ▶LCLの流れ
 ▶FCLのメリット
 ▶まとめ

FCLとLCLとは


FCLとはFull Container Loadの略で、コンテナ丸ごとを貸し切って積むことです。一方、LCLは(Less than Container Load)の略で、コンテナ1本に満たない貨物の量を積むこと、つまり、他の荷主の貨物と混載して1本のコンテナに仕立てる方法です。


FCLの流れ





①バンニング(バン詰め、コンテナ詰め)

輸出者自身で貨物のバンニングを行います。実際は乙仲に依頼することがほとんどかと思います。

②CY搬入

バン詰めされたコンテナはCY(コンテナヤード)に搬入されます。ヤード(yard)とは、庭や置き場のことなので、直訳すると『コンテナ置き場』ですね。それをかっこよくCYと呼んでいます。

③輸出申告

貨物がコンテナに載せられた状態で、申告が行われます。検査にひっかかると、せっかく詰めたコンテナを開披されてしますが、日本の税関検査は丁寧なので、よっぽど貨物を破損させられることはないかと思います。

④本船積み込み

無事に輸出が許可されると、本船に積み込まれます。



LCLの流れ





①CFS搬入

小口の貨物はまず、CFS(Container Freight Station=コンテナフレートステーション)に運ばれます。“freight”にはいろいろな意味がありますが、ここでは「積載する」という意味だと思います。よって「CFS=コンテナに積載する場所」といったところですね。

②輸出申告

CFSに搬入されたあとに、輸出申告が行われます。輸出許可書を入手しないと次に進めません。

③バンニング

輸出許可書を船会社に提示することで、バン詰めに進みます。CFS内で、他の荷主の貨物と混載されます。このときは、検数人と呼ばれる人が立ち合って、貨物に元々傷やシミなどの汚れがついていないか確認されます。異常があればD/R(Dock Receipt =ドックレシート)と呼ばれる、船会社から荷主側に宛てて発行される貨物受領書にRemark(リマーク)として記載されます。

④本船積み込み

コンテナに積まれた後に、本船に積み込まれます。



FCLのメリット


運賃の契約次第ですが、およそ10m3を超えたらFCLにした方がお得になるかと思います。金額が同等な場合はFCLにすることをおすすめします。

メリット①カット日がLCLより1日遅い


LCLは申告をしたあとに、バン詰め作業があります。そのため、申告から本船積み込みまでの時間がかかりますので、貨物のカット日が早いです。

一方、申告をしたらすぐに本船積み込み作業に入ることのできるFCLは、そのぶん、申告までの時間に少しゆとりを持つことができます。書類もゆっくり準備ができますので、都合がいいかと思います。


メリット②他の荷主の貨物に被害を与えない


FCLの場合、コンテナの中は自分の貨物のみです。たとえ、梱包の仕方が悪くコンテナ内で商品が飛び散ったとしても、影響を受けるのは自分の貨物だけです。コンテナ内で荷崩れが起きて、カートンが潰れていようとも自己責任です。

一方、LCLではコンテナ内には他の荷主の貨物があります。もちろん、他の荷主の貨物に何かしらの影響が出るような貨物がないかをチェックするために、検数人が立ち会いますし、問題があればリマークがつきますので、事故が起きることは少ないと思います。とはいえ、船上で何が起きるかはわかりません。他の荷主の貨物に被害を与えてしまう、あるいは被害を受けるリスクを考えると、貸し切りのコンテナであるFCLのほうが気が楽かと思います。


まとめ


以上、FCLとLCLについてご紹介しました。
運賃に大差のない貨物量の場合は、FCLを選ぶようにしてくださいね。